靖国寺について
当寺は、靖国神社に対して全国の戦没英霊を仏式に合祀する日本唯一の寺です。

昭和4年、建立者中井祖門師が当時の首相、田中義一氏と熟議し、賛同を得て発願されました。昭和16年より全国を托鉢勧募した浄財で用材を購入、本堂建立に着手。各地の信徒の多大なる寄進により、昭和18年11月には入佛式を修行、昭和24年4月に勤皇山靖國寺として落慶しました。
創建以来、戦没者の遺骨、無縁の英霊が全国各地より奉安置され、昭和26年には靖国神社より二百四十万余りの御分霊をお迎えしてお祀りしています。

御開山には永平寺の71世貫首(曹洞宗管長)高階瓏仙禅師を迎え、永平寺御直末寺院となりました。
建立発願者の中井祖門禅師は、三世開創となっております。
昭和63年より山号を鳳翔山と改め檀信徒教化の場として、また宇治の観光名所の一端として今日に至ります。
御本尊 金銅製 釋迦牟尼佛坐像
当山はビルマ(現ミャンマー)から来られた御本尊をお祀りしています。
永平寺71世貫首 高階瓏仙禅師(1876~1968)は戦時中、日本仏教会の会長を務めておられました。高階禅師は当時、ビルマ王朝より国賓として招かれました。親善と慰霊のためにビルマを訪問された高階禅師へ国王から感謝と友好の証として金銅製釋迦牟尼佛坐像が贈られました。
当山を開いた中井祖門大和尚は、高階禅師と深い親交がありました。
昭和18年に当山の本堂が完成した時のこと。当時、まだ御本尊がないことをお聞きになられた高階禅師は、
このビルマ国王からの金銅製釈迦牟尼佛坐像を御本尊として靖国寺へ奉納、未来を託されたのです。
その御高徳に感謝し高階禅師を当山の御開山としてお迎えして、今もその御遺徳を偲んでいます。

只管打坐 ~禅の教え~
曹洞宗は、道元禅師を宗祖として、鎌倉時代に開かれた禅の宗派です。
お釈迦さまより歴代の祖師によって相続されてきた「正伝の仏法」を依りどころしています。坐禅の実践によって得る身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であり、それを自覚することが大切であると説いています。
曹洞宗では「行住坐臥(ぎょうじゅうざが)」という四文字で生活のすべてを表します。
「行」とは歩くこと、「住」とはとどまること、「坐」とは坐ること、「臥」とは寝ることを指します。
坐禅の精神によって、この「行住坐臥」の生活に安住し、安らかで穏やかな日々を送ること。人間として生まれてきたこの世に価値を見いだしていこうというのです。
私たちが人間として生を得るということは、仏さまと同じ心、「仏心」を与えられてこの世に生まれたと、道元禅師は説かれました。「仏心」には、自分のいのちを大切にするだけでなく、他の人びとや物のいのちも大切にする、他人への思いやりが息づいています。しかし、私たちはその尊さに気づかずに我がまま勝手の生活をして苦しみや悩みのもとをつくってしまいがちです。
お釈迦さま、道元禅師の教えを信じ、導かれて、毎日の生活の中の行い一つひとつを大切にすることを心がける。
身と心が調えられ私たちの中にある「仏の姿」が明らかとなります。日々の生活の中で、それらを意識し行動して、互いに生きる喜びを見いだしていくこと。それが曹洞宗の目指す生き方といえるのです。
釈迦三十二禅刹
大本山・永平寺を中心に『釈迦三十二禅刹』は、現世利益や後世安楽を祈るのではなく、道元禅師の教えに学び正しい仏法を実践する道場です。
道元禅師は在家成仏について『弁道話』という書物の中で“ 仏の法門はすべての人が入ることのできる道であり、在家・出家の区別はない。重要なことは道を求める心であって、仏法を信じて実践すれば、誰でも体得することが出来る”と説いておられます。
たとえば住職の話に耳を傾ける。時には作務を体験する。坐禅をして仏菩薩と語らう。
このように、生きた仏教を体験する場が「釈迦三十二禅刹」なのです。
人が学ばなければならない「八正道」を、私たちは大切にしています。
八正道とは、理想の境地にいたる八つの道、又は八つの正しい生活態度のことです。
皆さまが、八正道を会得するお手伝いをいたします。
釈迦三十二禅刹 一覧
特 別 | 大本山永平寺 | 福井県吉田郡永平寺町志比 | 0776-63-3102 | 禅語「積善餘慶」 |
特 別 | 総持寺祖院 | 石川県輪島市門前町前 1-18甲 | 0768-42-0005 | 禅語「平常心是道」 |
第1番 | 誕生寺 | 京都府京都市伏見区久我本町 2-10 | 075-932-4650 | 禅語「本来無一物」 |
第2番 | 欣浄寺 | 京都府京都市伏見区墨染西枡屋町 1038 | 075-642-2147 | 禅語「看脚下」 |
第3番 | 栄春寺 | 京都府京都市伏見区桃山町丹下 30 | 075-641-2070 | 禅語「露堂々」 |
第4番 | 源光庵 | 京都府京都市北区鷹峰北鷹峰町 47 | 075-492-1858 | 禅語「明珠在掌」 |
第5番 | 天寧寺 | 京都府京都市北区寺町通鞍馬口下ル 301 | 075-231-5627 | 禅語「随処作主」 |
第6番 | 興聖寺 | 京都府宇治市宇治山田 27-1 | 0774-21-2040 | 禅語「古佛心」 |
第7番 | 靖国寺 | 京都府宇治市宇治金井戸 7-14 | 0774-21-3023 | 禅語「佛無上尊」 |
第8番 | 禅定寺 | 京都府綴喜郡宇治田原町禅定寺 | 0774-88-4450 | 禅語「無罣礙」 |
第9番 | 願成寺 | 滋賀県東近江市川合町 950 | 0748-55-0155 | 禅語「清風匝地」 |
第10番 | 仲明寺 | 滋賀県蒲生郡日野町佐久良 324 | 0748-52-0549 | 禅語「洗心」 |
第11番 | 清凉寺 | 滋賀県彦根市古沢町大洞 | 0749-22-2776 | 禅語「柳緑花紅」 |
第12番 | 全長寺 | 滋賀県伊香郡余呉町池原 885 | 0749-86-2001 | 禅語「平常心是道」 |
第13番 | 常栄寺 | 滋賀県高島市マキノ町山中 544 | 074028-0651 | 禅語「無風有竹聲」 |
第14番 | 曹沢寺 | 滋賀県高島市今津町今津 113 | 0740-22-0378 | 禅語「白雲幽石を抱く」 |
第15番 | 正伝寺 | 滋賀県高島市新旭町旭 38 | 0740-25-2241 | 禅語「半杓水」 |
第16番 | 興聖寺 | 滋賀県高島市朽木岩瀬 374 | 0740-38-2103 | 禅語「一期一会」 |
第17番 | 久永寺 | 福井県三方上中郡若狭町三宅 56-6 | 0770-62-0106 | 禅語「莫妄想」 |
第18番 | 龍泉寺 | 福井県小浜市新保 34-4 | 0770-57-1258 | 禅語「福海金龍躍」 |
第19番 | 神通寺 | 福井県小浜市遠敷 56-2 | 0770-56-1142 | 禅語「神光天地照」 |
第20番 | 常在院 | 福井県三方上中郡若狭町田上 29-6 | 0770-45-0825 | 禅語「日日是好日」 |
第21番 | 龍源院 | 福井県三方郡美浜町寄戸 9-10 | 0770-32-5192 | 禅語「大慈大悲」 |
第22番 | 永建寺 | 福井県敦賀市松島町 9-5 | 0770-22-0465 | 禅語「如愚如魯」 |
第23番 | 永賞寺 | 福井県敦賀市栄新町 11-20 | 0770-22-1919 | 禅語「如是」 |
第24番 | 永厳寺 | 福井県敦賀市金ヶ崎町 15-21 | 0770-22-1535 | 禅語「無事是貴人」 |
第25番 | 慈眼寺 | 福井県南条郡南越前町小倉谷 7-1 | 0778-45-2110 | 禅語「本源自性天真佛」 |
第26番 | 宗生寺 | 福井県武生市新保町 32-6 | 0778-22-3221 | 禅語「以心伝心」 |
第27番 | 禅林寺 | 福井県福井市徳尾町 22-12 | 0776-38-4817 | 禅語「主人公」 |
第28番 | 永昌寺 | 福井県福井市東郷二ケ町 26-11 | 0776-41-0232 | 禅語「耕福田」 |
第29番 | 禅師峰寺 | 福井県大野市西大月 13-17 | 0779-66-4710 | 禅語「禅一路」 |
第30番 | 曹源寺 | 福井県大野市明倫町 2-18 | 0779-66-3746 | 禅語「直心是道場」 |
第31番 | 吉峰寺 | 福井県吉田郡永平寺町吉峰 35-13 | 0776-64-2536 | 禅語「慕古風」 |
第32番 | 宝慶寺 | 福井県大野市宝慶寺 1-2 | 0779-65-8833 | 禅語「孤坐渕黙」 |